1960年に創業した弊社は、国内の研究機関向けに実験用装置の開発請負をしていました。ある時、直流高圧自動定電圧装置を試作してお客様の実験室で動作確認をしたところ、電源から侵入したノイズが原因で弊社の装置が出力する波形が歪んでしまい、負荷機器が正常に動作せず実験が行えない、という問題が発生してしまいました。弊社はこの装置を持ち帰り、試行錯誤の末、ノイズをバイパスする回路を組み込むことで正しい波形が出力されるよう調整し、再びお客様のところに持ち込みました。

しかし、当時ノイズ対策として一般的だった「ノイズをバイパスする」という手法は「非アイソレート型（方式）」であり、機器の使用環境やノイズの周波数により効果が大きく変動するものでした。新たに組み込んだバイパス回路は弊社工場の環境に最適化されてしまっていたため、お客様の実験室では全く効果がなく、お客様に多大なご迷惑をかけることになってしまいました。「どのような環境下でもノイズを出さず、受けない、堅牢な装置を作るにはどうすればよいのか？」ノイズの問題を抜本的に解決するために様々な方法を試してみました。そうして誕生したのが、「電路を高い周波数帯域まで分離・絶縁することで、電源から侵入したノイズを負荷機器に伝えず、負荷機器で発生したノイズを周囲に流出させない」という「ノイズ遮断技術」です。

その後、70年代後半にパーソナルコンピュータが普及すると、ノイズが原因のトラブルが加速度的に増加し、ノイズ障害の防止は喫緊の課題となりました。そうした社会情勢の中で、弊社は「ノイズ障害防止技術の普及」を会社の使命と位置づけ、創業以来培ってきた技術を世の中に提供することで、高度情報化社会の発展に関わらせていただきました。

現在では、数多くのノイズ相談を承るようになりました。今後もお客様お一人お一人に寄り添った、高品質の製品とサービスを提供します。