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量子コンピューターの高周波ノイズ対策部品として採用されました

導入事例
2026.01.06

この記事ではノイズ対策を行う上で知っておきたい基礎的な知識をわかりやすくご説明します。

量子コンピュータイメージ次世代技術として注目されている量子コンピューターの研究開発が、近年ますます加速しています。

高速かつ高精度な演算性能が期待される一方、電源からの高周波ノイズの影響を受けやすいという課題があります。

様々な研究、学術分野で培ってきた実績、ノイズ問題を解決してきた技術力、現場に寄り添うサポートが総合的に評価され、このたび、弊社が製造・販売している障害波遮断変圧器《ノイズカットトランス™️》が、量子チップの安定稼働を支援する高周波ノイズ対策部品として、量子コンピューターに採用されました。

量子コンピューターとは

量子コンピューターは、量子力学の原理を利用して演算を行う新しいタイプのコンピューターです。

従来のコンピューターは、情報を「0」か「1」のいずれかで表現し、演算処理を行います。

一方、量子コンピューターで用いられる量子ビットは、「0」と「1」の両方の状態を同時に持つことができる「重ね合わせ状態」での処理が可能です。

これにより、計算ステップ数を大幅に削減し、より高速に最適な解を探索できると期待されています。

この性質によって、従来のコンピューターでは処理が困難な膨大な組み合わせの中から最適な解を導くような問題(例:組合せ最適化や量子化学計算)に対して、高速かつ効率的な処理が可能になると期待されています。

従来型コンピューターの計算の特徴 量子コンピューターの計算の特徴

超伝導量子コンピューターの構成

量子コンピューターで実際に計算を担うのは、「量子チップ」と呼ばれる回路です。

量子チップの実装方式にはいくつか種類がありますが、超伝導方式では、超伝導体を用いた回路に量子ビットを実装し、絶対零度に近い極低温環境で動作させます。

そのため、「希釈冷凍機」と呼ばれる特殊な冷却装置を使用します。

システムの主な構成要素は以下の通りです:

 

  • PC(従来型コンピューター):ユーザーの指示を入力
  • 制御装置:PCの命令を制御信号に変換し量子チップに伝える/計算結果を読み取る
  • 希釈冷凍機:量子チップを極低温まで冷却
  • 量子チップ(QPU):量子計算の実行部

 

処理の流れは、PC → 制御装置 → 量子チップで、量子チップは制御信号に応じて動作します。

量子コンピューターのシステムイメージ

実用化への課題と高周波ノイズの影響

量子コンピューターの実用化において、大きな課題の一つがエラーの発生です。

量子ビットは非常に繊細で、外部環境のわずかな変化にも敏感に反応し、量子状態が変化することで、計算中に意図しないエラーが発生します。

こうしたエラーが蓄積すると、正確な計算が困難になるため、エラー耐性の向上やエラー訂正機構の実現が求められています。

エラーの要因はさまざまですが、中でも高周波ノイズは、正しい信号が量子チップに届かない・読み取れないと言う根本的な問題を引き起こす可能性があります。

このような場合、量子計算そのものが正常に行われないため、エラーの有無を議論する以前に、まずノイズの影響を最小限に抑えることが不可欠となります。

障害波遮断変圧器《ノイズカットトランス™️》による対策例

ある国公立の研究機関より、「信号にノイズが乗ってしまい、正しいデータが取得できない。ノイズを最小化するにはどのような対策が必要か?」とのご相談をいただきました。

その研究室を訪問し、現地の状況を確認した結果、次のようなことが分かりました。

  1. 隣室の実験装置が稼働すると測定に大きな乱れが生じ、停止すると改善傾向が見られる。しかし、それ以外のノイズも確認されたため、原因は隣室だけではない。
  2. 夜間や休日に測定を行うと、ノイズの少ない高品質なデータが取得できる。
  3. 施設内には数十の実験室が存在し、ノイズ発生源を1つずつ特定するのは現実的でないため、量子コンピューター側での対策が必要。
  4. ノイズは、電源ラインを通じて制御装置に侵入する高周波ノイズである可能性が高い。

量子コンピューターのノイズトラブル事例

これらを踏まえ、弊社の障害波遮断変圧器《ノイズカットトランス™️》NCT-F5型(後継機種:NCT-R5-J2)をご採用いただきました。

制御装置の電源ラインに取り付けた結果、電源からの高周波ノイズの侵入を防ぐことができ、夜間・休日と同等の高品質な測定データを日中でも安定的に取得可能となりました。

また、信号品質をより一層向上させたいとのご要望を受け、シールディングとグランディングの2つの追加対策もご提案しました。

量子コンピューターのノイズ対策例

こうした対策を行なった結果、信号品質がさらに向上したとのご報告をいただき、本ノイズ問題は無事に解決しました。

(※障害波遮断変圧器《ノイズカットトランス™️》をもちいたノイズ対策の基本的な考え方はこちらをご覧ください。)

まとめ

電研精機研究所は、1960年の創業以来、国内外の産学官において、高周波ノイズによる電子機器の誤動作防止に取り組んでまいりました。

高周波ノイズに関するお悩みやご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

今回紹介した製品

ノイズカットトランス NCTーF5型 ノイズカットトランス NCTーR5ーJ2型
障害波遮断変圧器《ノイズカットトランス™️》NCTF5型

障害波遮断変圧器《ノイズカットトランス™️》R5J2


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